当社は、KSPを創設する約10年前に提言された、21世紀のビジョンが基点となり、産官学の英知と努力が結集して誕生しました。
1970年代の二度のオイルショックを経て、日本経済は高度経済成長から低成長へ転換しました。重化学工業が構造調整を余儀なくされ、ついで、量産型加工組み立て産業にも陰りが生じました。この結果、神奈川県川崎市でも、臨海部を中心に工場閉鎖、工場の地方または海外への移転があいつぎ、産業が空洞化し、雇用問題が深刻化していました。
このような状況に対応するため、長洲神奈川県知事(当時)は「頭脳センター構想」という政策理念を掲げました。地域の雇用を守り、産業を活性化するために、地域の資源を生かし、産業構造をハイテク産業中心により高度化すること、そして、神奈川ー川崎を日本とアジアの科学技術と研究開発のセンターにすることを目指すこの構想を具体化したプロジェクト、それが「かながわサイエンスパーク」です。「メカトロポリス構想」を提唱していた伊藤川崎市長(当時)と連携し、県ー市主導で、この一大プロジェクトを推進しました。
「サイエンスパーク」整備構想は、1984年6月に開催された「神奈川県研究開発型企業連絡会議(RADOC)」主催の「研究開発型企業全国交流大会」の大会アピールが契機となっています。1985年7月に産学官が参加する「KSP 構想調査研究会」が発足し、このプロジェクトの具体的な内容の検討が行われました。
1986年5月に「民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法(民活法)」が公布・施行されたことから、同年12月、民活法1号施設(研究開発・企業化基盤施設<リサーチ・コア> の認定を受けました。
施設の所有者は、かながわサイエンスパークの建設と運営の主体として、1986年12月に設立された第3セクター「株式会社ケイエスピー」および「日本生命保険相互会社」「明治安田生命保険相互会社」「三井住友信託銀行株式会社」「飛島建設株式会社」の5社です。
開設に当たり、入居企業に安全で快適な環境を提供するために、サイエンスパークの管理・運営を行う「株式会社ケイエスピーコミュニティ」、地域冷暖房事業を行う「ケイエスピー熱供給株式会社」を設立しました。
また、ホテルは「株式会社ホテルケイエスピー」が運営しています。
これら3 社とオーナー5 社が連携・協力してサイエンスパークを運営しています。
「かながわサイエンスパーク」には、そのコンセプトである「“研究開発型(R&D)企業が生まれ、育ち、集い=交流する”拠点」という着実に実現させるための仕組みが導入されていました。
それが「KSP システム」と呼ばれるもので、インキュベート事業などを行う「株式会社ケイエスピー(KSP)」、大学院レベルの高い研究教育能力を持つ「財団法人神奈川科学技術アカデミー(KAST)」、試験・計測支援サービスや技術移転サービスを提供する「財団法人神奈川高度技術支援財団(KTF)」の3者が設立され、「KASTがシーズを生み、KSPのインキュベータでベンチャー企業に育て、KTFが技術支援をする」という三位一体の連携システムを形成していました。
2005年4月にKASTとKTFが統合し、新KASTとして発足しました。また、2017年4月にKASTと神奈川県産業技術センターが統合し、地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所(KlSTEC)として新たな法人が発足しました。
KSPはKISTECおよび大学・基礎研究機関と積極的に連携してシーズ開発・ベンチャー企業創出に取り組んでいます。
また、神奈川県立川崎図書館が、2018年5月かながわサイエンスパークに移転しました。同図書館はものづくり技術を支える機能に特化した「ものづくり情報ライブラリー」として、企業の研究者や起業を目指す方などの利用を想定しています。約19,000冊の社史コレクションの蔵書や研究者に有用性の高い電子ジャーナルの利用など、企業の技術開発に役立つ情報が満載です。KSPは、KISTEC及び神奈川県立川崎図書館と積極的に連携・協力し、研究開発型企業への支援等により、産業の発展に寄与する活動を展開してまいります。
1985年 7月 | 「サイエンスパーク構想調査研究会」設置 |
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1986年12月 | 「民活法」(※)」適用第1号認定(1号施設=リサーチコア) 「株式会社ケイエスピー」設立(初代代表取締役社長 岡崎嘉平太) |
1987年 6月 | かながわサイエンスパーク建設工事着工 第2代代表取締役社長 飛島章就任 |
1987年10月 | インキュベート事業開始 |
1988年 7月 | 「全国リサーチコア協議会(JASPA)」設立 |
1989年 6月 | 第3代代表取締役社長 長洲一二就任 |
1989年 7月 | かながわサイエンスパーク建物竣工 |
1991年 5月 | 「かながわサイエンスパーク交流会」創立 |
1991年 6月 | 第4代代表取締役社長 久保孝雄就任 |
1992年 5月 | 第1回「KSP新事業マネジメントスクール」開講/初代学長に中村秀一郎氏就任 |
1994年11月 | 西棟シェアードオフィス開設 |
1995年 5月 | KSP新事業マネジメントスクールの2代目学長に伊藤邦雄氏就任 |
1997年 1月 | KSP1号投資事業組合設立 |
1997年 5月 | KSP新事業マネジメントスクールの3代目学長に柳孝一氏就任 |
1997年12月 | 東アジアサイエンスパーク交流会議開催(第1回アジアサイエンスパーク協会(ASPA)大会) |
1999年 4月 | KSPビジネスサポートセンター開設 |
1999年 6月 | 第5代代表取締役社長 山野好章就任 「KSPマネジメントスクール」に名称変更 |
2001年 9月 | KSP新事業マネジメントスクール卒業生のインターネットセキュリティシステムズ(株)(現IBM)が、JASDAQに上場 |
2002年10月 | 第1回「KSPマッチング商談会」開催 |
2003年 5月 | 「KSPベンチャー・ビジネススクール」に名称変更 |
2003年 6月 | 第6代代表取締役社長 山田長満就任 |
2003年 9月 | KSP1号投資事業組合 の投資先かつスクール卒業生の(株)テクノメディカが、JASDAQに上場(現在、東証一部上場) |
2003年12月 | KSP夢オフィス開設 |
2004年 3月 | KSP2号投資事業有限責任組合設立 |
2004年 8月 | KSP1号投資事業組合の投資先の(株)テンアートニ(現サイオステクノロジー)が、東証マザーズに上場 |
2004年10月 | KSP-Think開設 |
2005年 3月 | KSP1号投資事業組合の投資先である(株)エフェクター細胞研究所(現ECI)が、名証セントレックスに上場 |
2005年11月 | アジアサイエンスパーク協会(ASPA)第9回年次大会をKSPにて開催 |
2006年 3月 | KSP1号投資事業組合の投資先かつスクール卒業生の(株)メディアグローバルリンクスが、東証マザーズに上場 |
2006年12月 | KSP3号投資事業有限責任組合設立 |
2007年 4月 | 「放電加工機誕生の地」記念碑設置(会社設立20周年記念事業) |
2007年 6月 | かわさき新産業創造センター(KBIC)でのインキュベート事業受託開始 第7代代表取締役社長 大北智良就任 |
2009年 9月 | 第1回「協創マッチングフォーラム」開催 |
2010年 6月 | 「KSPビジネスイノベーションスクール」に名称変更 4代目学長に竹内倫樹氏就任 |
2011年10月 | KSP3号投資事業有限責任組合の投資先のシンバイオ製薬(株)が、JASDAQグロースに上場 |
2011年12月 | KSP3号投資事業有限責任組合の投資先のダブルスコープ(株) が、東証マザーズに上場 KSP3号投資事業有限責任組合の投資先の(株)カイオム・バイオサイエンス が、東証マザーズに上場 |
2012年 6月 | 「技術スカウトサービス事業」開始 |
2013年 6月 | 第8代代表取締役社長 内田裕久就任 KSP2号投資事業有限責任組合の投資先の(株)リプロセルが、JASDAQグロースに上場 |
2013年11月 | 「インキュベートゾーンNEO」開設 |
2014年 6月 | KSP4号投資事業有限責任組合設立 アジアサイエンスパーク協会(ASPA) 会長に代表取締役社長 内田裕久就任 |
2015年 8月 | KSP3号投資事業有限責任組合の投資先のPCIホールディングス(株)が、東証マザーズに上場 |
2015年10月 | KSP3号投資事業有限責任組合の投資先の(株)グリーンペプタイドが、東証マザーズに上場 |
2015年11月 | アジアサイエンスパーク協会(ASPA)第19回年次大会をKSPにて開催 |
2016年 4月 | 「KSP Biotech Lab」開設(ライフイノベーションセンター(LIC)4階) |
2016年 8月 | ライフイノベーションセンターオープニングセレモニー開催 |
2016年10月 | 再生・細胞医療産業化ネットワーク(RINK)設立 |
2016年12月 | 「株式会社ケイエスピー創立30周年記念式典」開催 |
2017年 2月 | 「KSPビジネススクール開校25周年記念フォーラム」開催 |
2017年 3月 | 株式会社ケイエスピー創立30周年記念国際シンポジウム「イノベーションの創出拠点としての”サイエンス・リサーチパーク”」開催 |
2017年 4月 | 公益財団法人神奈川科学技術アカデミーと神奈川県産業技術センターが統合し「地方独立行政法人神奈川県産業技術総合研究所(KISTEC)」発足 |
2017年10月 | KSP5号投資事業有限責任組合設立 |
2018年10月 | アジアサイエンスパーク協会(ASPA) 会長に代表取締役社長 内田裕久就任 |
2018年11月 | KSP4号投資事業有限責任組合の投資先筑波精工(株)が、TOKYO PRO Marketに上場 |
2019年 3月 | KSP4号投資事業有限責任組合の投資先(株)ミンカブ・ジ・インフォノイドが、東証マザーズに上場 |
2019年5月 | 「Kawasaki Deep Tech Accelerator」開始 |
2019年6月 | KSP3号及び4号投資事業有限責任組合の投資先(株)STGが、TOKYO PRO Marketに上場 |
2019年8月 | KSP4号及び第5号投資事業有限責任組合の投資先(株)ステムリムが、東証マザーズに上場 |
2020年 1月 | KSP6号投資事業有限責任組合設立 |
2020年12月 | KSP4号投資事業有限責任組合の投資先(株)クリングルファーマが、東証マザーズに上場 |
タイトル | 発行元 | 概要 | 記事URL |
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「研究開発型スタートアップ企業へのサポートを開発し続ける東のKSP」 | 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) | KSP創立の背景から、支援先のベンチャー企業ととも成長を続けている当社インキュべート事業の変遷、そして、今日の大学・研究機関との事業化促進活動について紹介されています。 | https://www.ksp.co.jp/media/latest/a8 |
起業や社内で新事業を立ち上げられた方々の情熱と軌跡
プレスリリースやイベント、お客様のご活躍をお知らせ
KSP4号投資事業有限責任組合で、投資支援を行っているクリングルファーマ株式会社(大阪府茨木市、安達 喜一 代表取締役社長)が12月28日、東証マザーズに上場しました。 同社は、脊椎損傷急性期及び筋萎縮性側索硬化症向け医薬品、組換えヒトHGFの開発を行っております。 企業情報は、こちらからご覧ください。 ⇒ クリングルファーマ株式会社 Webサイト
Dr. Ir. Hammam Riza, M. Sc., Chairman of BPPT(Badan Pengkajian Dan Penerapan Teknologi, Agency for the Assessment and Application of Technology, Indonesia) and Professor Eniya Listiani Dewi, Deputy Ch...
川崎市が主催し、(株)ケイエスピーが運営協力して実施する2020年度“Kawasaki Deep Tech Accelerator(研究開発型ベンチャー企業成長支援事業)”の採択者が決定致しました。 デバイス、ライフサイエンス、ロボット、AI等の領域で、10件のチーム、企業が採択されました。 ※会社名/チーム名の50音順 7月29日(水)に、KSPビジネスイノベーションスクール(BIS)と合同でキ...